INTRO
アルキメデスの原理
流体の中の物体は、押しのけた流体の重さと同じ大きさの力を、下から受けます。
物体が流体を押しのける
水位が上がる・空気が押し出される
押しのけた分だけ上向きの力
それが浮力

このページでわかること
読む目安:約6分
- 浮力は押しのけた流体の重さで決まること
- F = ρVg で浮力の大きさを計算できること
- 船が浮く理由と、沈む・浮く・つり合う条件
ひとことで言うと
水や空気などの流体の中にある物体には、押しのけた流体の重さと同じ大きさの上向きの力が働きます。これを浮力といい、その大きさの決まり方がアルキメデスの原理です。
たとえば…
お風呂に入ると体が軽く感じるのは、水が下から押し上げているからです。湯船の水位が上がるのは、体が水の場所を取って押しのけているから——その押しのけた水の重さが、浮力の大きさになります。
公式
$$F = ho V g$$
| 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| \(F\) | 浮力 | N(ニュートン) |
| \(\rho\) | 流体の密度 | kg/m³ |
| \(V\) | 押しのけた流体の体積 | m³ |
| \(g\) | 重力加速度 | m/s² |
水の中なら、\(\rho\) は水の密度です。
完全に水に沈んでいる物体なら、\(V\) は物体の体積と同じです。
一部だけ沈んでいる物体なら、\(V\) は水の中に沈んでいる部分の体積です。
この計算はどこで使われている?
式では \(F = \rho V g\) と書きます。これは「どれくらいの浮力が出るか」を見積もる計算で、浮かせたいものを設計するときに使われます。
知りたいのは、「どれくらいの浮力が出るか」と「その浮力で重さを支えられるか」です。
船の設計
船と荷物の重さを支えるには、どれくらいの水を押しのける必要があるかを考えます。潜水艦
浮力と重さのバランスを変えるために、内部に入れる水や空気の量を調整します。ライフジャケット
人を水面に浮かせるために、どれくらいの浮力が必要かを考えます。観測ブイ
海の上に浮かび続けるために、機器の重さを支える浮力を見積もります。気球・飛行船
空気の中で浮くために、押しのける空気の重さと全体の重さを比べます。水中ロボット
水中で沈みすぎず浮きすぎず動けるように、浮力と重さのバランスを調整します。船が浮く理由
鉄は水より密度が大きいので、鉄のかたまりは沈みます。しかし船は、内部に大きな空間を持つ形をしています。そのため、船全体としてはたくさんの水を押しのけることができます。
押しのけた水の重さが船の重さとつり合うと、船は浮きます。
船が浮くかどうかは、「材料が鉄かどうか」だけでなく、「どれだけ水を押しのけられる形か」で決まります。
例題
水の中で、物体が 0.002 m³ の水を押しのけました。水の密度を 1000 kg/m³、重力加速度を 9.8 m/s² とすると、浮力はいくらですか?
$$F = ho V g$$
$$F = 1000 imes 0.002 imes 9.8$$
$$F = 19.6$$
$$19.6, ext{N}$$
この物体は、水から 19.6 N の上向きの力を受けています。
かんたん計算機(浮力)
式は F = ρVg です。まずは初期値のまま計算してみましょう。
密度・体積・重力加速度を入力して計算できます。
水の場合、密度はおよそ 1000 kg/m³、地球上では重力加速度はおよそ 9.8 m/s² です。
浮く・沈むの条件
↓ 重力 > ↑ 浮力
沈む
↓ 重力 = ↑ 浮力
つり合って浮く
↓ 重力 < ↑ 浮力
上に浮かび上がる
歴史・人物:アルキメデス
アルキメデスは古代ギリシャの数学者・物理学者で、浮力の原理で有名です。
王冠が純金かどうかを調べる話や、お風呂の水があふれる様子から体積と浮力の関係に気づいたという有名な逸話があります。「エウレカ!」の言葉でも知られています。
※ これらは伝説的な要素を含むと言われています。
関連する考え方
重力とは
物体を下向きに引っぱる力です。浮力とのつり合いを考えるときに必要です。密度とは
物体や流体が、同じ体積あたりどれくらい重いかを表す考え方です。圧力とは
流体が物体を押す力を考えるときに関係します。力のつり合いとは
物体が浮くか沈むかを、重力と浮力のバランスで考えるときに使います。ニュートンの運動法則
力が物体の運動にどう関係するかを説明する物理の基本法則です。流体とは
水や空気のように、形を変えて流れるもののことです。まとめ
物体は、押しのけた流体の重さと同じ大きさの上向きの力(浮力)を受けます。 船が浮く理由も、お風呂で体が軽く感じる理由も、同じ原理で説明できます。